森の宮だより
Clinic Blog
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こんにちは、森の宮皮フ科クリニック 院長の大垣です。
私事で大変恐縮ではありますが、先日アナウンスさせていただきました通り、本日より入院加療を受けさせていただきます。病名はアキレス腱断裂で、手術を受けることとなります。新型コロナウイルスなどとの関連は一切ございませんのでご安心ください。患者様にはご不便をおかけいたしますこと、重ねてお詫び申し上げます。なお、復帰は当院の夏季休診明けの8/17からを予定しております。
今回は花粉症(アレルギー性鼻炎)に対するアレルギー免疫療法についてのお話です。
花粉症といえば、今や国民病といわれていますが、意外なことに花粉症は戦後に初めて報告された新しい病気です。日本では、1960年代からわずか40年間で花粉症(特にスギ花粉症)が激増しました。
●理由その1:スギ花粉の増加
戦後に大量植林されたスギが伐採されずに残り、開花適齢期を迎えています。さらに、地球温暖化の影響も受け、春のスギ花粉飛散量が増えています。
●理由その2:排気ガス・大気汚染
排気ガスなどで汚染された大気中の多くの微粒子が抗体を産生しやすくし、花粉症の発症を促進します。また、舗装道路の増加に伴い一度地面に落ちた花粉が再び舞い散ることも原因として考えられます。
●理由その3:食環境の変化・不規則な生活リズム
高タンパクや高脂肪の食生活を続けていたり、不規則な生活リズムやストレスの多い生活なども、アレルギーを起こしやすくしています。
●理由その4:住宅環境の変化
住宅やオフィスの近代化に伴い、通気性の少ないダニ・カビの温床をつくり、アレルギーを起こしやすくしています。
花粉症に対する治療としては、これまで抗原(アレルゲン)の除去・回避、飛散時期における抗ヒスタミンの内服が中心でした。アレルゲン免疫療法とは、アレルギーの原因物質(アレルゲン)を少しずつ体内に吸収させることで、アレルギー反応を弱めていく治療法です。
アレルゲンを体内に入れる方法は、主に注射による皮下免疫療法と舌の下の粘膜から投与する舌下免疫療法があります。
従来、アレルゲン免疫療法は皮下免疫療法が中心でした。しかし、アナフィラキシー反応などの副反応があり、また頻回の注射通院が必要です。舌下免疫療法では注射の痛みや通院の必要がないこと、そして全身におよぶ副作用の発現率が低いため安全面から今注目が集まっています。2020年8月時点では、皮下免疫療法はスギ花粉とダニの2種類が適応となります。
<従来の治療における患者様満足度>
医療機関を受診して抗ヒスタミン薬の処方を受けた花粉症患者様8599名にアンケートを行なった結果、処方されたお薬に対する満足度は35%と低く、不満を感じた点については、処方された薬の効果に不満(66%)と、眠気(14%)が多いことでした。同様にイタリアにおける調査でも満足度は33.5%と低く、花粉症患者様の抗ヒスタミン薬に対する満足度は日本と同程度のようです。
<アレルゲン免疫療法における患者様満足度>
日本人のスギ花粉症に対して舌下免疫治療を行なった患者様で、1シーズン終了ならびに2シーズン終了した患者様において、治療効果や満足度の調査を行なった結果、自覚症状の改善(とても効いた、効いた、やや効いた)という患者様は1年目、2年目終了者でそれぞれ70.7%、92.4%と高く、経年により治療効果および満足度が上がることが示されております。
<継続により治療効果が上がる>
舌下免疫治療は、継続することにより治療効果が上がり、抗ヒスタミン薬の服用量も減らすことができ、抗ヒスタミン薬単独と比較しても患者満足度が高い治療法です。今後スギ花粉症の主流となる可能性が高いのではないかと考えられます。
スギ花粉症ならびにダニに対する舌下免疫治療は当院で行うことができます。
こちらのスタッフブログもご覧くださいませ。
→「スギ花粉症の舌下免疫療法をはじめませんか?」
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