森の宮だより
Clinic Blog
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|巻き爪・陥入爪 -その原因は?-
巻き爪は、爪への外的な圧迫(サイズの合わない靴、歩き方、足の変形)、立ち仕事や肥満による過度の体重負荷、下肢の循環障害、爪水虫などにより、爪が彎曲(わんきょく)している状態です。時に不適切な爪の切り方(深爪)や外傷により爪が皮膚に食い込み、爪周囲に炎症を引き起こせば痛みを伴うこともあります。
爪の周囲に傷ができると、細菌が入って感染症を引き起こし、腫れや痛みで歩行が困難となることもあります。爪の周囲が腫れるとさらに爪と皮膚がぶつかり、腫れがひどくなるという悪循環となってしまいます。また肉芽種といって、爪の周りに腫瘍を生じることもあります。
|治療
|痛みがない場合
保険診療:テーピング、爪切り、コットンパッキング
爪が直接皮膚に食い込まないようにします。
自費診療:プレート法
爪の先に形状記憶合金でできたプレートを爪の先に装着します。プレートの元の形に戻ろうとする性質を応用し、爪の先に引っ掛けて治療します。治療にはほとんど痛みもありません。爪の矯正だけでなく、再度周囲の皮膚に食い込まないための予防の役割も果たします。
|痛みを伴う場合
痛みに対して鎮痛薬を処方します。細菌感染している場合は抗菌薬の飲み薬で治療します。爪の周囲に肉芽種という腫瘍を形成している場合には、液体窒素と塗り薬による治療を繰り返します。
上記で十分効果を期待できるのですが、繰り返しの治療でも改善に乏しい場合、早く治したい場合、他の治療では何を受けても改善しなかった場合には、手術(フェノール法、肉芽腫の摘出)をお勧めします。
手術自体は約10分で終了します。術後は1週間程度、激しい運動を避けていただきます。翌日よりシャワーを浴びることができ、傷が治るまでに1−2週間かかります。少し爪が細くなりますが、根治率は最も高い治療です。
|よくある質問 Q&A
Q1 痛みはないんですが、病気ではないか心配です。
爪への外的な圧迫によって、巻き爪は誰にでも起き得ます。痛みがない場合には急いで治療する必要はありませんが、上述の通り腫れる前に手を打っておくことをお勧めします。
また爪は自然に巻いてくるものという説もあるくらい、巻き爪はありふれた疾患です。ただし、下肢の循環障害や爪水虫が隠れていて爪の変形をきたすこともありますので、必要に応じて検査を行うことがあります。
Q2 爪を短く切ったほうが良いのでしょうか?
巻き爪になると爪を短く切りたくなるのですが、これはかえって陥入爪を悪化している原因となることがあります。あえて爪を適切な長さまで伸ばすことが陥入爪治療の基本となります。
Q3 爪を伸ばしている途中で痛みが出てしまいます。どうすればいいですか?
テーピングをして皮膚を引っ張ることで食い込みを予防する方法や、爪が食い込んでいる部位に綿を詰めることで痛みを和らげることができます。
Q4 治ってもまた痛みが出るのではないかと不安です。
巻き爪は、爪への外的な圧迫が原因であることが多いです。そのため、先の細くなっている靴、きつい靴など、足に不適切な圧迫が加わるような履き物は、なるべく避けたほうが良いでしょう。大き過ぎず、柔らかくて適切なサイズの靴を履くことをお勧めします。
Q5 手術を受けたいのですが、気をつけることはありますか?
手術当日は足の指に包帯を巻くため、サイズに余裕のある履き物でいらしてください。術後はそのままご帰宅いただけます。
手術当日は患部を濡らさず翌日からシャワーを浴びていただけます。飲酒はせず、術後診察(およそ1週間後)までは激しい運動は控えてください。
局所麻酔は1−2時間ほどで切れますが、痛み止めを処方いたします。お薬を受け取ったら予防的に内服していただくと、痛みを十分に抑えることができます。
Q6 手術は痛くないですか?
A. 麻酔をするので、手術自体は痛くないのですが、麻酔薬を注射する際に、多少痛みが伴います。
医療法人社団伸緑会 森の宮皮フ科クリニック(練馬区石神井公園駅徒歩30秒)
(旧 緑の森皮フ科クリニック)
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