森の宮だより
Clinic Blog
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|どんな症状?
円形脱毛症は、毛を作り出す毛包の根元に炎症が起き、毛根が縮んで毛を作れなくなり、毛が脱落してしまう状態です。たいていはまるく抜ける(円形)ことが多いのですが、頭全体の毛が抜けてしまうこともあります。どんな年齢でも起こり、ストレスなどの環境や生活の影響よりも遺伝的素質が原因要素としてとても重要です。
|原因とストレスとの関係
通常は生じることのない自分の体を壊そうとする炎症が生じる病気を自己免疫性疾患と言いますが、円形脱毛症は毛包に対する自己免疫(毛根の炎症)で起こると言われています。血液の中のリンパ球(白血球の一つ)が毛根部分にたくさん集まり、自分自身の毛根を障害することで起こります。また黒い毛の方が障害されやすく、回復する際にもまず白毛から生えて来ることが多く見られます。なぜこのような反応が起こってしまうのかについては、今のところ遺伝的素質以外にその原因は十分にわかっていません。円形脱毛症の方にストレスとなるような出来事があったかを調べてみると、大人では約2−3割の方にあるという結果があり、また精神医学的には約15%の患者様でストレスがあった時に脱毛が始まると報告されています。逆に言えば7−8割の患者様ではそのような精神的ストレスと無関係に円形脱毛症が始まる訳ですので、ストレスのコントロールだけでは円形脱毛症を防いだり、治すことは難しいのかもしれません。
|治療
円形脱毛症の治療は、こうした炎症・免疫反応をコントロールするための塗り薬、飲み薬を使用し、症状に応じて液体窒素療法やステロイド注射なども行なっていきます。
|毛は生えてくるの?
毛は周期的に生え変わります。毛にはその元となる「幹細胞」と呼ばれる細胞が存在し、生涯にわたり細胞を供給し続けるため生え変わりが可能となります。その幹細胞は、毛包の根元ではなくちょうど真ん中あたりに存在するため、円形脱毛症でたとえ毛根の根元に炎症が起きても幹細胞は無事でいることができるのです。円形脱毛症の炎症が治癒あるいは自然の経過により上手く抑えられ、毛包が再生すると再び発毛してきます。
|治療の経過
円形脱毛症の中でも、脱毛した部分が回復し、新しく発毛するときに白髪が生えてくることもあります。これは、上記の理由で毛の色素を作るメラノサイトの回復にも時間がかかるためです。炎症が激しい場合や、長続きしすぎるとメラノサイトの幹細胞が障害されてしまい、メラノサイトを供給することができなくなって白髪の状態が続いてしまうことがありますが、多くの場合は症状が回復するにつれて髪の色は戻ってきます。
医療法人社団伸緑会 森の宮皮フ科クリニック(練馬区石神井公園駅徒歩30秒)
(旧 緑の森皮フ科クリニック)
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